深夜の工場騒音は役所に苦情を!搬入口・アイドリングも規制対象


工場のイラスト。煙突からモクモクと煙が出ている。相当な騒音が出ていそうだ。

🟪「えっ?それって工場じゃないよね?」

実はルール上では、思わぬ場所が“工場”扱いになることがあります。

  • 倉庫・ヤード
  • コンビニなどの小売店舗
  • 保育園・幼稚園
  • 飲食店のダクト・排気設備など

⭐こうした施設も、“工場”扱いになるんです。
ちょっと不思議ですが、ルールがそうなっています。

そのうえで、本題に入ります。


🟪工場から出る騒音や振動には、ルールがあります

ルールの特徴は、こんな感じです。

  • 工場の騒音や振動にはルールがある。
  • そのルールを守っていれば、深夜でも営業してOK。
  • でも、ルールの限度(dB)を超えていたら違法。
  • このルールは、役所が調査・指導・処分を行う

そして重要なのは…

  • 工場だけでなく、”敷地全体”もルールの対象になる!

ということ。

たとえば、次のような音はすべて対象です。

  • 敷地内に停車中のトラックのアイドリング音
  • 搬入口の開閉音
  • 屋上の換気ファンや室外機音
  • 屋外の作業など

⭐敷地内ならすべての騒音・振動が対象です。
それがこのルールの特徴です。


🟪でも ルールを守らなくてもOKな工場もある

ここがちょっとややこしいポイントです。

なぜ、そんな工場があるのか?
答えはシンプル。最初からルールの対象外だからです。

対象外の工場は、たとえ大きな騒音や振動を出してもルール違反にはなりません。

「なんじゃそりゃ?」
と思うかもしれませんが、ルールがそうなっているのです。


🟪ルールを守らなくてもOKな工場は「多い」

これは管理人の体感です。

ルールを守る義務がある工場 👉全体の3割

守らなくてOKな工場     👉全体の7割


🟪ルールを守る工場/守らなくてもOK工場の違い

この違いを決めるのは「機械や設備」です。
工場敷地内に特定の機械や設備を設置しているかどうか、 それだけで決まります。

  • 設置してあれば → ルールを守る義務がある
  • 設置してなければ → ルール対象外、守らなくてOK

特定の機械名や設備名は、ルールブックに書いてあります。


🟪まとめ

ルールを守る義務がある工場
(決められた機械や設備がある場合)

  • 振動や騒音のルールを守る必要がある。
  • さらに、工場の敷地全部がルールの対象になる。
  • ルールを管理・監視するのは役所
  • ルールを破れば、役所が調査・指導・罰則を行う

②ルールを守らなくてOKな工場
(決められた機械や設備がない場合)

  • ルールを守らなくてもOK
  • だって、ルールの対象外だもん。
  • どれだけうるさくしても、法的には何の問題もない
  • 役所や警察に言っても、対応してもらえない
  • だから騒音は、出したもん勝ちと言われる。
  • 結果、裁判とか殺人とかに発展している。

🟪これが現在の制度です。

私個人としては、すべての工場にルールがあった方が、住民にとってわかりやすく簡単だと思います。

しかし現実は、とてもわかりにくい制度になっています。

「やめてほしい」

以上が基本ルールです。


ここからは、補足だよ


🟪騒音・振動のルール「4種類」ある

工場から出る騒音や振動には、ルールがある!と書きました。
ただし、そのルールは1つではありません。

実際には、次の4つのルールが存在します。

  1. 国が作った「騒音規制法」
  2. 国が作った「振動規制法」
  3. 県や市が作った「騒音の条例」
  4. 県や市が作った「振動の条例」

基本的な考え方はどれも似ています。
そして共通して、役所が担当窓口 です。


🟪違反かどうかを確認するには?

この4個のルールは、すべて役所が担当しています。
違法かどうか?確認するには、役所に相談すればOKです。

1つの窓口で4種類すべて確認してもらえます。


🟪相談のしかた(例)

難しく考えなくても大丈夫。
こう伝えればOKです。

「〇〇の騒音・振動で困っています」

これだけで役所が調べてくれます。
対象かどうか、そして違反かどうかを確認してくれます。

ただし注意点があります。
もしその工場が 「ルール対象外」 だった場合、役所は動けません。
残念ですが、これが制度の限界なのです。


🟪機械や設備について、詳しく

ルール対象になるかどうかは、工場にある 機械や設備 で決まります。

対象となる機械名や設備名は「ルールブック」に書かれています。
つまり、規制の対象かどうかは 機械・設備のリスト を見れば分かります。

ただし注意が必要です。
なぜなら、ルールは4種類あり、それぞれのルールごとに対象リストが違うため、やや複雑です。

ルール名機械や設備、誰が決めてる?機械・設備のリスト
「騒音規制法」騒音規制法に書いてある
「振動規制法」振動規制法に書いてある
「騒音の条例」都道府県・市町村自治体のHPに書いてある
「振動の条例」都道府県・市町村自治体のHPに書いてある

🟪調べても…分かりにくい。

機械名を見ても、一般の人にはピンとこないことが多いです。

例を挙げると…

  • 圧延機械
  • 液圧プレス

名前を聞いただけで、どんな機械か分かりますか?
おそらく多くの人は「???」だと思います。

しかも工場の場合、機械は建物の中に設置されているので、外から住民が確認することはほぼ不可能です。

⭐だからこそ、役所に相談するのが一番早いのです。


🟪最後に基準値について、触れておきます。


これまで説明したように、工場の騒音・振動にはルールがあります。
しかもそのルールは 「4種類」 あると書きました。

  • 国が作った「騒音規制法」
  • 国が作った「振動規制法」
  • 県や市が作った「騒音の条例」
  • 県や市が作った「振動の条例」

ここでは、その中でも騒音規制法・振動規制法について解説します。


騒音規制法の基準値(原型)

まずは騒音規制法の基準値です。
初めに言っておきますが、まだ表は完成していません。

区域/時間昼間朝・夕夜間
第1種区域45~50dB40~45dB40~45dB
第2種区域50~60dB45~50dB40~50dB
第3種区域60~65dB55~65dB50~55dB
第4種区域65~70dB60~70dB55~65dB

出典:特定工場・事業場の部分を見てね。

⭐これはあくまで 「国が作ったひな型」 です。
国は「細かい部分は県や市が決めてください」というスタンスなので、実際の基準値は お住まいの県知事や市長が決定しています。

たとえば「45~50dB」と書かれている部分は、自治体ごとに 45~50dBにするか が決められる仕組みです。
そのため、全国どこでも同じ数値ではなく、自治体ごとに微妙に違う のが特徴です。

これが完成すると、次のようになります。

静岡市の場合です。


振動規制法の基準値(原型)

次に振動規制法の基準値です。
先ほどと同じように、まだ表は完成していません。

工場専用の振動基準の原型

区域/時間昼間夜間
第1種区域60~65 dB55~60 dB
第2種区域65~70 dB60~65 dB

出典:特定工場・事業場の部分を見てね。

こちらも同じ仕組みで、数値の細かい部分は 県知事や市長が決定 します。
そのため、やはり自治体によって若干の違いがあります。

⭐振動も「dB(デシベル)」という単位を使いますが、騒音計ではなく 振動計 という別の測定器で測定します。

ただし、騒音計ではなく振動計という全く別の機械で測定します。

完成した数値表も、最終的には各自治体のHPに掲載されます。

静岡市の場合です。