「隣の工場がうるさい…」騒音と振動に法律ある?

「工場の音なんだから仕方ない」「近くに住んでるこっちが悪いのかも…」
そんなふうに思って、ずっと我慢していませんか?

結論

実は、工場の騒音や振動には法律や条例による規制があります。
ただし、すべての工場が対象ではなく、一部の工場のみが対象です。

そして、その一部の工場が法律で定められた基準を超えていた場合のみ「違法」と判断されます。

つまり、次の2つを満たした場合だけ違法となります

  • 対象工場であること
  • 基準dBを超えていること

これら両方が揃って、初めて「違法」となります。

逆にいえば、対象外の建設工事であれば、たとえ大きな音を出しても法的には問題がないことになります。

この騒音は、早めに相談してください

なぜなら、この法律は「すぐに違法」と決まる仕組みではありません。

たとえ騒音が基準を超えていたとしても、最初は「指導」や「勧告」などの注意段階から始まります。それでも改善されない場合に、ようやく「命令」「罰則」などの措置に進む仕組みです。

場合によっては、半年〜1年以上かかることもあります。
だからこそ、「うるさい」と思ったら、できるだけ早く相談することが重要です。

相談先


役所が法律や条例に違反しているかを、確認してくれます。

場所: 役所の窓口
料金: 無料
対応時間: 平日9:00~17:30(自治体によって異なります)
土日は対応していない自治体がほとんどです。

違法かどうかを判断するのは、役所の担当部署の職員です。
もし違法と判断されれば、指導・勧告・命令・罰則などの対応が取られます。

どの窓口に行けばいいの?

自治体によって窓口の名前が違います。
住民票や印鑑証明を発行している役所に電話して「〇〇工場の騒音について相談したいのですが」と伝えてみてください。

→ そのまま「騒音」を担当している部署に回してもらえます。

どんな工場対象になるの?

「大きな工場なら法律の対象で、小さい工場は関係ないんでしょ?」
そう思っている方も多いのですが、実はまったく違います。

工場の大きさ・広さ・従業員数などは関係ありません。
法律・条例が判断の基準にしているのは「どんな機械を使っているか」だけです。

つまり
どれだけ小さな工場でも、ある特定の機械を使っていれば「対象」になります。
どれだけ大きな工場でも、その機械を使っていなければ「対象外」です。

対象機械を書いてあるリンク↓

区分種類対象範囲対象機械の確認リンク・方法
騒音騒音規制法全国共通対象機械一覧(東京都PDF)
振動振動規制法全国共通対象機械一覧(東京都PDF)
騒音の条例自治体の条例地域限定「〇〇市 騒音 機械」で検索
振動の条例自治体の条例地域限定「〇〇市 振動 機械」で検索

※参考:東京都の公式ページ(読みやすい)
※条例は、地域独自で決めています

見ても、わからないでしょ?
「圧延機械」なんて言われてもわかりません。

私が被害を受けている工場は、対象なのか?

「今まさにうるさいあの工場、法律の対象になってるの?」
これは、多くの人がまず疑問に思うポイントです。

しかし結論から言うと、自分で調べるのは、ほぼ不可能です。

なぜなら

  • 対象になるかどうかは「工場にある機械」で決まる
  • その機械はほとんど工場の内部にあるため、外から見えない
  • さらに、リストを見ても「圧延機械」など専門用語ばかりで、素人には判別できない

つまり、住民が外から見て判断する方法はないというのが実情です。

だからこそ、最初から役所に相談するしかないのです。

基準dBってどれくらい?何デシベルで違法?

「何dBを超えたら違法になるの?」

実は、ある程度の基準値は法律で決まっています。
ただし、そのルールは法律・条例ごとに異なり、全国で共通ではありません。

さらにややこしいのが、最終的に基準値dBを決めるのは、あなたが住んでいる都道府県知事や市長という点です。

それを前提に聞いてください。

法律・条例ともに、工場の騒音はおおむね40〜70dBの範囲内で規制されています。

ただし、これはあくまで「目安」です。

  • 昼と夜では基準が違います。
  • 住宅地・商業地・工業地など、場所によって基準が違います。
  • 基準値(dB)は、最終的に(県知事や市長)が決めている。

つまり、法律も条例も地域ごとに基準が違うため、ここで具体的に答えることはできません。

よくある質問(Q&A)

Q. 相談するとき、何を伝えればいいの?
A. 音がする時間帯・種類・頻度などを伝えるとスムーズです。
(例:「朝6時ごろからガンガン音がする」「金属を打つような音」など)


Q. 録音は必要?
A. あれば有利ですが、なくても相談できます。
私は実際にスマホで動画録音し、それを役所の人に聞いてもらいました。
というのも、過去に「ブーーン」「ゴォォォー」など擬音で説明しようとしたところ、なかなか伝わらず苦労した経験があるからです。
録音があれば、話が早いです。


Q. 騒音計を買うべき?
A. 不要です。
最終的には役所が持っている専用機器で調査します。


Q. 苦情を言ったと相手にバレませんか?
A. 通常、誰が通報したかは相手に伝えられません。
不安な場合は「相手に知らせないでほしい」と役所に伝えてください。